盛況だった今年7月のセミナー
盛況だった今年7月のセミナー

 【サマーセミナー(第17回親鸞講座)を終えて】
 今年は、講義時間を4時間から6時間に拡大し、お二人の先生にご講義いただきました。今年のサマーセミナーは、参加者は二日間で延べ130名にのぼる大盛況で、今井先生や山田先生のお話に、満員の教室内に笑い声が湧き起こるフレンドリーな雰囲気の中で進められました。年2回の開催を望む声もアンケートに多数よせられました。受講された方々は、新しい知識を胸に満足されたご様子で、「来年も来ます」と帰っていかれました。
  21日には、今井雅晴先生(筑波大学名誉教授)に、親鸞聖人の思想の系譜と特色についてご講義いただきました。さらに22日には、怨霊をご研究なされている山田雄司先生(三重大学教授)がご講義の中で、神(じん)祇(ぎ)不(ふ)拝(はい)(仏の他に神を拝んではならない)という真宗教団で教条化した考え方に対して、疑問を投げかけられました。
 また22日には、今井先生・山田先生お二人のご参加の下で「質疑応答」の時間が設けられました。そこでは、善鸞義絶問題の真相などについて、本願寺などの上部機関のある寺院では聞くことのできないお話を、今井先生から伺うことができました。このため大変な盛り上がりとなり、時間を大幅に延長しての質疑応答となりました。最後は、思想は上から与えられるものではない、当山のような自由な立場でないと思想や学問の発展は望めないという、当たり前のことをセミナー責任者が再確認して、熱気溢れる中でセミナーは幕を閉じました。今井先生・山田先生ありがとうございました。
 当山は、浄土真宗発祥の聖地です。絶対的な「他力」を説いた親鸞聖人の思想とは、どのようなものなのでしょうか? …しかし、僧侶によるお決まりの「仏教のお話」や「お説教」を幾ら聞いても、その全体像は見えません。仏教さらに世界の諸宗教における親鸞思想の独自性と、その思想を育んだ時代状況や風土にまで視野を広げて、彼の思想を考察する必要があります。そのように考えて、今回のセミナーは企画されました。
 セミナーは、緑あふれる寺院で大学教授のご講義を聞き、親鸞聖人の思想や宗教の意義について考えることのできる貴重な機会です。今後はセミナーを一層拡充して、親鸞聖人から日本仏教全体、さらに宗教学・思想史へとセミナーの対象を広げていく予定ですので、皆さま振るってご参加ください。お待ち申し上げています。 


 一番下(ミュージカルのご報告の次)に、初めて本HPをご覧くださった方のために、今年のセミナーの案内文を残しておきます。来年度は是非ご参加ください。

質疑応答では今井先生が熱弁を…
質疑応答では今井先生が熱弁を…
私たちは美しい花よ、僕はウサギだ!
私たちは美しい花よ、僕はウサギだ!

【ミュージカル「しんちゃんとゆきちゃん」】
 7月22日には、サマーセミナー終了後に、中央仏教学院OB・OG有志による合唱団「衆会(しゆうえ)」の皆様24名が、ミュージカルを上演してくださいました。平均年齢が約70歳(?)の衆会の皆様は、蚊に刺されながら山の中でリハーサルを行うなどのご準備をなさり、熱の籠もった演技を披露してくださいました。最後には、美しいハーモニーの合唱も、聞かせていただきました。遠くからお越し頂いた衆会の皆様、素晴らしいご公演をありがとうございました。

歳など吹き飛ばして回れ回れ!
歳など吹き飛ばして回れ回れ!
最後はお得意の混声合唱の美しいハーモニーを
最後はお得意の混声合唱の美しいハーモニーを

 

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 以下に、初めて本HPをご覧くださった方のために、今年のセミナーの案内文を残しておきます。来年度は是非ご参加ください。

 

 

 恒例の夏期「親鸞講座」(17)のご案内です。

 今年より従来の講座を拡充して、「サマーセミナー親鸞講座」とすることになりました。講義時間も4時間から6時間に拡大し、お二人の先生に担当していただきます。親鸞聖人に限らず日本仏教全体さらに宗教学・思想史へと、今後は本講座の対象を次第に広げていく予定です。真宗学や真宗史の中に閉じ籠もっていては、全体像を見失う危険性があると考えるからです。また、将来的には「ウインターセミナー」なども開催したいと考えておりますので、皆様のご支持を宜しくお願い申し上げます。
   なお、昨年は今井先生にお話いただきましたが、盛況で定員を増員した上で締め切りとなりました。ご希望の方は、早めにお申し込みください。

  

講 師 

 今井雅晴先生(筑波大学名誉教授)/山田雄司先生(三重大学教授)

日 時 

 7月21日(土)13:00~16:30(開校式の後に講義)

 7月22日(日)09:00~12:00(昼食後の13:45より閉会式)

場 所

 当山宿坊

講 題 

 「浄土教の中の親鸞聖人――源信、法然、親鸞、一遍――」(21日・今井先生)

 「神と仏の中の親鸞聖人――古代・中世の仏教のあり方から――」(22日・山田先生)
★今井先生は22日もご出席され、講義終了後の質疑応答に加わってくださいます。

 (今井ファンの皆様は楽しみにしていてください)

 

●定員は70名です。 

●お電話・FAXまたはご郵送にて、お申し込みください。

 (ご住所・ご氏名・お電話番号を明記してください)

●会費は、1日のみ3000円 /2日とも5000円 となります。 宿坊にご宿泊も可能です。

●ご希望の方には昼食を用意します。 7月21日・22日とも700円 です。

閉会式後に、合唱団 「衆会(しゅうえ)」 によるミュージカルを上演いたします(14:30~16:00)

たぬきの兄妹 「しんちゃんとゆきちゃん」 たちの微笑ましい物語♪♪ です。

どなたでも自由にご観覧ください。

(衆会は、中央仏教学院同窓会関東支部会員有志による混成合唱団です)

 

■講師紹介

 【今井雅晴先生】

(1)略歴 

1942(昭和17)年、東京都生まれ。東京教育大学大学院博士課程修了。文学博士。茨城大学教授、プリンストン大学・コロンビア大学客員教授、筑波大学教授などを経て現在は筑波大学名誉教授、真宗文化センター所長。専門は日本中世史、仏教史。

(2)主要著書
『親鸞と東国門徒』・『親鸞と浄土真宗』(吉川弘文館)、『親鸞と本願寺一族』(雄山閣出版)、『わが心の歎異抄』(東本願寺出版部)、『親鸞の家族と門弟』(法蔵館)、『親鸞とその家族』・『親鸞と恵信尼』・『親鸞と如信』(自照社出版)ほか。

 

 【山田雄司先生】  http://onryo.syuriken.jp

(1)略歴
1967(昭和42)年静岡県生まれ。京都大学文学部卒業、筑波大学大学院博士課程歴史・人類学研究科修了。博士(学術)。現在は三重大学教授。専門は日本中世史、信仰史。

(2)主要著書・論文
『崇徳院怨霊の研究』(思文閣出版)、『跋扈する怨霊』(吉川弘文館)、「伊勢神宮の中世的意義」(伊藤聡編『中世神話と神祇・神道世界』竹林舎)、「平太郎熊野参詣説話の検討」(『親鸞の水脈』第9号)ほか。

 

盛況だった昨年の親鸞講座
盛況だった昨年の親鸞講座

現在の開門時間は、

9:00~16:00です。

 

親鸞聖人御誕生850年および立教開宗800年を記念した前進座特別公演「花こぶし」の水戸公演が2月に行われます。

詳細は左端の「お知らせ」タブより「行事日程と工事予定」をご覧ください。

(2024.1.11)

⇒ご鑑賞、御礼申し上げます。

 

「除夜の鐘」をつきます。23:50~01:00頃。ご参拝ください。   (2023.12.31)

⇒ご参加・ご参拝ありがとうご

 ざいました。(2023.01.1)

 

2023年度の新米が入荷しました。今年の新米も昨年同様ローズドール賞(最優秀賞)を受賞した新品種「ゆうだい21」です。詳細は左端のタブ「庵田米の販売について」をご覧ください。    (2023.10.20)

 

筑波大学名誉教授(日本思想)伊藤益先生のご講義【第5回】     

「慈悲の思想」をUPしました。左端のタブ「internet市民大学」よりお入りください。      

         (2023.7.15)

 

「市民大学講座」7月16日開催します。ご講師は伊藤益先生です。詳細は左端のタブ「公開講座・Seminar のご案内」をご覧ください。4年ぶりの開催ですので、ご参加をお待ちしています。(2023.5.29)

⇒約70名の受講者の方のご参加を得て、質疑応答で40分の延長の後、無事に終了しました。35度にもなる酷暑の中、駅から往復3km を歩いて参加され方々もありました。皆様、ご参加ありがとうございました。そし て、お疲れさまでした。 

       (2023.7.18)        

 机に向かい静かに目を閉じると、想いは6年前に訪れたキエフ〔キーウ〕に飛ぶ。ホーチミン経由のベトナム航空でモスクワに着いた私は、その足で駅に向かい、翌日の夜行列車を予約したのだった。

 

 首都キエフは、ロシア正教会(今はウクライナ正教会)の建物が夕日に輝く美しい都市だった。十字架を抱えたキエフ大公ウラディミル1世がドニエプル川を見下ろし、独立広場にはウクライナ国旗とEU旗が記念塔を取り囲んでいた(大学の授業で配信した動画の一部をUPします)。

 

  モスクワからキエフまでは夜行で一晩、1時間ごとに寝台列車が出ている。乗車当日その場でキップも買える。「母がウクライナの出身なんだ」と話していた初老のロシア人男性。両国に親戚がいる人々も多い。その国に攻め込むとは…刻々と届く映像を見ていて涙が止まらない。


 事態を予想しなかったと話す識者も多い。フィンランド侵攻(1939)・ハンガリー事件(56)・チェコスロヴァキア事件(68)と繰り返された暴力。必ずキエフまで侵攻すると私は確信していた。なぜ事前に米軍やNATO軍を緊急展開させなかったのか。抑止力となったはずだ。腰の引けた指導者たちの宥和政策が、ヒトラーの勢力拡大を可能にしたことを思い出す。


 キエフではミンスク(ベラルーシの首都)行きの寝台列車の切符が買える。チェルノブイリの側を抜けた列車は、翌朝にはミンスクに着いた。そのベラルーシでは、一昨年にはルカシェンコ政権に対する激しい民主化要求デモが続いた。ロシアでも反戦デモが続いているようだ。ナショナリズムに染まらないロシア人の知性に、僅かな光明を見る思いがする。

      (2022.2.26)

《追伸》
  十数年前のロシア航空、隣に座ったチェコ人青年の言葉が思い出される。チェコ解体(1939)と「プラハの春」弾圧(68)を経験した彼らの言葉は重い。 
  Russia is more dangerous

  than Germany.


 自国の権益と安全保障を要求して一方的に他国に攻め込む姿勢は、満蒙特殊権益を死守しようとした80年前の日本と重なる。欧米諸国による圧迫やウクライナの性急な親欧姿勢が攻撃を誘発したとする言説も聞かれるが、それは米国による包囲網が日本を追い込み開戦に至らしめたとして、日本の侵略行為を矮小化しようとするのと同じである。        (2022.5.5)

 

 

 

書籍の販売コーナー宿坊にございます。左端のおしらせ→書籍販売コーナー新設のご案内とお進みください(写真がご覧になれます)。また、当山のパンフレットオリジナル絵葉書その他の記念品があります。宿坊の売店にてお求めください。パンフレットと絵葉書は、ご本堂内にもございます。