筑波大学名誉教授(日本思想)で当山市民大学講座にご出講いただいている伊藤益先生が、ご研究のテーマその他について、不定期にご投稿くださることになりました。

 

★PCの方は左端のタブから、スマホの方はメニューに戻り、それぞれ第1回「仏法とは何か」、第2回「親鸞の信心」、第3回「親鸞の生涯」、第4回「悪の思想」、第5回「慈悲の思想」を、クリックまたはタップしてください。

 

 

伊藤益(いとうすすむ)先生のプロフィール

 《略歴》                                                             
1955(昭和30)年、京都市生まれ。筑波大学大学院哲学・思想研究科博士課程修了。文学博士。現在は筑波大学名誉教授。専門は日本思想。

 

 《主要著書》

『ことばと時間―古代日本人の思想―』(大和書房、1990/1992年度和辻賞受賞),『日本人の知―日本的知の特性―』(北樹出版、1995),『日本人の愛―悲恋の思想―』(北樹出版、1996),『「信」の思想 ―親鸞とアウグスティヌス―』(北樹出版、1998),『旅の思想―日本思想における「存在」の問題―』(北樹出版、2001),『親鸞―悪の思想―』(集英社、2001),『高橋和巳作品論―自己否定の思想―』(北樹出版、2002),『歎異抄論究』(北樹出版、2003),『愛と死の哲学―田辺元―』(北樹出版、2005),『危機の神話か神話の危機か―古代文芸の思想―』(筑波大学出版会、2007年),『鬱を生きる思想』(北樹出版、2012),『自由論―倫理学講義―』(北樹出版、2014),『私釈親鸞』(北樹出版、2015),『私釈法然』(北樹出版、2016),『念仏者  蜂屋賢喜代』(北樹出版、2017),『日本思想の論理』(北樹出版、2019)など、著書多数。

 

サマーセミナーでご講義中の伊藤先生
サマーセミナーでご講義中の伊藤先生

現在の開門時間は、

9:00~16:00です。

 

親鸞聖人御誕生850年および立教開宗800年を記念した前進座特別公演「花こぶし」の水戸公演が2月に行われます。

詳細は左端の「お知らせ」タブより「行事日程と工事予定」をご覧ください。

(2024.1.11)

⇒ご鑑賞、御礼申し上げます。

 

「除夜の鐘」をつきます。23:50~01:00頃。ご参拝ください。   (2023.12.31)

⇒ご参加・ご参拝ありがとうご

 ざいました。(2023.01.1)

 

2023年度の新米が入荷しました。今年の新米も昨年同様ローズドール賞(最優秀賞)を受賞した新品種「ゆうだい21」です。詳細は左端のタブ「庵田米の販売について」をご覧ください。    (2023.10.20)

 

筑波大学名誉教授(日本思想)伊藤益先生のご講義【第5回】     

「慈悲の思想」をUPしました。左端のタブ「internet市民大学」よりお入りください。      

         (2023.7.15)

 

「市民大学講座」7月16日開催します。ご講師は伊藤益先生です。詳細は左端のタブ「公開講座・Seminar のご案内」をご覧ください。4年ぶりの開催ですので、ご参加をお待ちしています。(2023.5.29)

⇒約70名の受講者の方のご参加を得て、質疑応答で40分の延長の後、無事に終了しました。35度にもなる酷暑の中、駅から往復3km を歩いて参加され方々もありました。皆様、ご参加ありがとうございました。そし て、お疲れさまでした。 

       (2023.7.18)        

 机に向かい静かに目を閉じると、想いは6年前に訪れたキエフ〔キーウ〕に飛ぶ。ホーチミン経由のベトナム航空でモスクワに着いた私は、その足で駅に向かい、翌日の夜行列車を予約したのだった。

 

 首都キエフは、ロシア正教会(今はウクライナ正教会)の建物が夕日に輝く美しい都市だった。十字架を抱えたキエフ大公ウラディミル1世がドニエプル川を見下ろし、独立広場にはウクライナ国旗とEU旗が記念塔を取り囲んでいた(大学の授業で配信した動画の一部をUPします)。

 

  モスクワからキエフまでは夜行で一晩、1時間ごとに寝台列車が出ている。乗車当日その場でキップも買える。「母がウクライナの出身なんだ」と話していた初老のロシア人男性。両国に親戚がいる人々も多い。その国に攻め込むとは…刻々と届く映像を見ていて涙が止まらない。


 事態を予想しなかったと話す識者も多い。フィンランド侵攻(1939)・ハンガリー事件(56)・チェコスロヴァキア事件(68)と繰り返された暴力。必ずキエフまで侵攻すると私は確信していた。なぜ事前に米軍やNATO軍を緊急展開させなかったのか。抑止力となったはずだ。腰の引けた指導者たちの宥和政策が、ヒトラーの勢力拡大を可能にしたことを思い出す。


 キエフではミンスク(ベラルーシの首都)行きの寝台列車の切符が買える。チェルノブイリの側を抜けた列車は、翌朝にはミンスクに着いた。そのベラルーシでは、一昨年にはルカシェンコ政権に対する激しい民主化要求デモが続いた。ロシアでも反戦デモが続いているようだ。ナショナリズムに染まらないロシア人の知性に、僅かな光明を見る思いがする。

      (2022.2.26)

《追伸》
  十数年前のロシア航空、隣に座ったチェコ人青年の言葉が思い出される。チェコ解体(1939)と「プラハの春」弾圧(68)を経験した彼らの言葉は重い。 
  Russia is more dangerous

  than Germany.


 自国の権益と安全保障を要求して一方的に他国に攻め込む姿勢は、満蒙特殊権益を死守しようとした80年前の日本と重なる。欧米諸国による圧迫やウクライナの性急な親欧姿勢が攻撃を誘発したとする言説も聞かれるが、それは米国による包囲網が日本を追い込み開戦に至らしめたとして、日本の侵略行為を矮小化しようとするのと同じである。        (2022.5.5)

 

 

 

書籍の販売コーナー宿坊にございます。左端のおしらせ→書籍販売コーナー新設のご案内とお進みください(写真がご覧になれます)。また、当山のパンフレットオリジナル絵葉書その他の記念品があります。宿坊の売店にてお求めください。パンフレットと絵葉書は、ご本堂内にもございます。